保育士試験を受ける人に人気のテキスト『福祉教科書保育士完全合格テキスト』と『この一冊で合格!桜子先生の保育士必修テキスト』を徹底的に比較しました。
パッと見には大差ないように見えるテキストも、中身は意外と違うもの。ページ数からでは分からない部分を実際に読んで詳しく紹介。
特にこの2冊に興味のある人は是非参考にしてください。
【比較しているテキスト】
保育士試験の教材に興味を持ち、今も学習を続ける現役保育士。受験する人の相談を受ける仕事もしています。
実際に持っている教材を比較して紹介していきます。
【保育士完全合格テキスト】【桜子先必修テキスト】あなたに合うのはどっち?
内容を理解し保育現場でも活きる知識をつけたいなら『保育士完全合格テキスト』。
理解を助ける解説やイラスト図解が丁寧で分かりやすく、現場で働くときの判断に役立つ知識を身につけることが出来ます。
シンプルに効率よく保育士試験合格を目指すなら『桜子先生必修テキスト』。
試験に出る用語の解説がシンプルで見やすく、ときどきはさまれる会話形式のコメントやちょっとした休憩になる記事がモチベーション維持に効果的です。
どちらも人気のテキストだけあって分かりやすく、いまだに私は両方とも良く開きます。
どうしても1冊に絞るなら、私は『翔泳社の保育士完全合格テキスト』をおすすめします。
それでは違いを詳しく見ていきましょう。
※本文で比較しているのは2022年度版です。
【保育士試験】人気テキスト2つを比較
保育士試験のテキストは「各科目の概要「」、「各章に確認テスト」、そして「各科目・章に難易度」のついているものがほとんど。これから学ぶ科目がどんな内容なのかを把握し、学習を進めながら途中の確認テストで復習できるようになっているのです。
その中でも人気のある『保育士完全合格テキスト』と『桜子先生必修テキスト』を差が出るポイント6つについて比較していきます
差が出る6つのポイント
- 目次
- フォント・余白
- イラスト・図解・表
- 巻頭資料
- 出題分析
- 解説スタイル
- ページ数
1. 目次
目次はそのテキストの要約です。どんなことがどんな順番で書かれているのか、目次を見るだけで中身の全体像を知ることができます。
『保育士完全合格テキスト』と『桜子先生必修テキスト』を、「社会福祉」を例にあげて比較してみます。
『保育士完全合格テキスト』の目次にある各科目には見出しが5つ、その下に小見出しはついていません。
対して『桜子先生必修テキスト』は7つの見出しにさらに小見出しもついています。
目次から全体の構成を知り、問題を解きながら確認するための参考書として向いているのは『桜子先生必修テキスト』ですね。
2. フォント・余白
『保育士完全合格テキスト』の方が大きく見やすいフォントを採用しています。
重要ポイントは欄外にあるので後からまとめてみるのにも便利。
余白は全体的に少なめです。
一方『桜子先生必修テキスト』は、フォントは小さめですが余白にゆとりがあるので読みにくいことはありません。重要ポイントは文中に吹き出しで挟まれているので順を追って読んでいく必要があります。
余白が十分あるので、書き込みしながら勉強する人には『桜子先生必修テキスト』がおすすめ。
3. ラスト・図解・表
『保育士完全合格テキスト』のイラスト・図解・表は多すぎず少な過ぎず、ちょうどいい量でうるさくありません。
イラスト解説は内容の理解を助けてくれるので、とても分かりやすいです。
『桜子先生必修テキスト』にはイラスト解説がほとんどありません。内容の多くが表形式になっていて目当ての解説が見つけやすく、サクッと確認するのに向いています。
4. 巻頭資料
『保育士完全合格テキスト』には学習に役立つ「基礎知識のまとめ」がカラーで掲載されています。
上下巻でダブっている内容もありますが、そのまま写メやコピーをして持ち歩いて覚えるのに便利。きれいにまとまっていて分かりやすいです。
『桜子先生必修テキスト』には学習計画をしっかり練ってからスタートするための方法が丁寧に示されています。学習スケジュールが立てやすく、「頑張ろう!」という気持ちにさせてくれます。
5. 出題分析
どちらにも科目の冒頭に出題分析データがついています。
『保育士完全合格テキスト』は文章による傾向と対策、そして過去5回の試験問題の出題キーワードが掲載されています。文章による説明は分かりやすいですが、出題キーワードは今一つピンときません。
『桜子先生必修テキスト』は文章による説明に加えて円グラフで見る出題傾向の分析が載っています。
これがとっても分かりやすい!
勉強に重点をおくところや優先順位が決めやすく、学習計画を立てるのに役立ちます。
6. 解説スタイル
解説スタイルは通常大きく2パターンに分かれます。
1つ目は良く出る条文を引用しながら解説していくパターン。
2つ目は引用は少なく独自文章で解説するパターンです。
『保育士完全合格テキスト』は独自の解説でイラストや図解を混ぜながら分かりやすく教えてくれる解説スタイルなので、文章をしっかり読み込まないといけません。そのかわりしくみや理論が理解しやすい内容になっています。
対して『桜子先生必修テキスト』は条文の引用文に解説を添えていくスタイルが多く、長めの文章はあまりありません。シンプルで分かりやすいのですが、深い理解を求めるのにはあまり向きません。そのかわりオンライン学習のサービスが充実しているので、足りない理解を補うことができます。
7. ページ数
2つのテキストは上下巻合わせてもページ数にそれほど大きな差はありません。
しかし、科目ごとにさかれているページ数は倍近く違うものがあります。
ページ数に大きな差が見られた科目は「保育の心理学」「保育原理」「教育原理」の3科目です。
具体的にどんな違いがあるのか見てみましょう。
【保育士完全合格テキスト】まとめ
ここまでの比較内容から、『保育士完全合格テキスト』の良い点、弱い点をまとめました。
良い点
ここまで比較をしてみて、やはり私がおすすめするテキストは『保育士完全合格テキスト』だなと改めて思いました。
ただ知識を詰め込むだけでなく、内容を理解して現場でどう活かせるかまで学ぶことが出来ます。
理解を深める解説が文章、イラストともに丁寧でわかりやすいです。
学習が進むと理解があいまいだったために迷うことが多く出てきます。そんなときに前に戻って確認することで、さらに理解が深まり覚えることができました。
弱い点
余白部分が少ないので、書き込みをしながら勉強する人には向きません。ノートを活用する学習スタイルの人向きです。ただし、赤シートがついていて繰り返し覚えたことを手軽に確認できるので、私はノート無し、書き込み無しで利用しました。
各科目の出題分析にある「過去5回出題キーワード」がちょっと分かりにくいですね。キーワードがシンプルではないからです。ただ、過去の出題情報はテキスト内にポイントとして掲載されているので、それほど困ることはありません。
【この1冊で合格!桜子先生の保育士必修テキスト】まとめ
『桜子先生必修テキスト』の良い点、弱い点をまとめたものはこちらです。
良い点
保育士試験合格という目的が明確なテキストです。
合格するために何をするべきか一目でわかるのでモチベーションを維持しやすく、過去の出題分析がすばらしい!
目次が細分化されているので全体像の把握、欲しい情報の検索にも便利です。
並んだ知識の間に挟まれる吹き出しコメントや記事がアクセントになり、内容全体に緩急があって飽きさせない内容になっています。
勉強に行き詰まる人のことも考えているような、勉強する人に寄り添う優しいテキストです。
弱い点
条文などの引用文を掲載した部分が多いので、独自解説が必然的に少なくなっています。
会話形式の説明や原文がスペースを取るので、ページ数のわりに情報量はそれほど多くありません。
テキストだけで完結するのではなく、桜子先生のオンライン学習と並行して活用する方がよさそうです。
まとめ
保育士試験のテキストなんて、どれもそんなに差がないだろうと思って調べ始めましたが、けっこう違うということが分かりましたね。
この二つのテキストのほかにもテキストや通信講座の教材も比べてみましたが、
- Aには掲載されているけど他のテキストには載っていない
- 理論の分類が他のテキストとは違う
- 内容が凄く薄い、または濃い
など、けっこう大きな差がありました。
できることならしっかり手に取って開いてみて決めた方が良いと思いますが、現実にはなかなか難しいですよね。
少しでもお金をかけずに自分に合ったテキストを見つけるお手伝いができるよう、これからも実際に使ってみた感想を紹介していきたいと思います。